作品紹介
フォーン・ブース/Phone Booth
2002年 アメリカ
時間:80分
ジャンル:ミステリー&サスペンス Rotten Tomatoesより
監督:ジョエル・シュマッカー
スチュワート・シェパード(スチュー):コリン・ファレル
エド・レイミー警部:フォレスト・ウィテカー
ケリー・シェパード:ラダ・ミッチェル
あらすじ
マンハッタン、タイムズスクエア。自称一流のパブリシスト、スチュは、今日もアシスタントを従え、携帯電話からクライアントや業界に口八丁でビジネスをまとめ上げている。そんな彼はアシスタントと別れた後、1台の電話ボックスに立ち寄り、結婚指輪を外してクライアントの新進女優パメラに電話を掛けた。スチュは彼女をモノにしようとしていたが、上手くいかずに受話器を置く。その刹那、今使っていた公衆電話のベルが鳴り、思わず受話器を取ってしまうスチュ。すると電話の主は、“電話を切ったら殺す”と脅迫してきたのだった…。
日本と世界の評価
評価
Yahoo!映画:3.64 評価833件 2019/4/28
IMDb:7.1(評価5換算:3.57) 評価235717件 2019/4/28
Rotten Tomatoes 2019/4/28
TOMATOMETER:72% 評価186件
AUDIENCE SCORE:64% Average Rating:3.1 評価410668件
Metascore:56
Yahoo!映画とIMDbとRotten Tomatoes:AUDIENCE SCORE
単純平均評価:3.44
評価まとめ
良い評価:構成、シチュエーションが良い、短い時間に上手くまとまっている、緊迫感に引き込まれる、斬新
悪い評価:面白くない、犯人が意味不明、設定だけ、
全体の評価は普通よりは良いですね。日本の評価の方が高いですが、低い評価も日本の方が多いです。Yahoo!映画1評価が2.8%アマゾン日本が3%ですがIMDbの1,2の評価は合わせて1.3%です。受け付けない人は日本の方が多いみたいです。男女差はもっと開くかと思ったのですがそれほど差はありませんでした。
感想
なかなか怖いシチュエーションですね。
大都会NYの電話BOXにライフルで狙われて閉じ込められたとしたら。
NYと電話BOX。上手いこと考えるなと思いました。
脚本なんか書いたこと無いけど、きっとこのシチュエーションから話を膨らませていったんじゃないかな。
あとはこの設定に足を引っ張られないで最後まで走れるか。
自分としてはまずます上手く走りきれたんじゃないかなと思う。
評価を見るとストーリーの粗なんかを書いてるのが目立ったから細かいところが気になる人はあまりお勧めできないかもしれません。
だから評価もアメリカの低評価より日本の低評価の方が目立ったのかもしれません。日本の方が細かいから。
確かにもう少し煮詰めることは出来たかもしれませんが、良くできてると思います。
犯人の内面がもう少し分かればとか犯人の現在地特定や犯行の粗とかも置き去りにされてる部分を埋めているのがコリン・ファレル演じるスチュではないでしょうか。
スチュは口先だけでいい加減な業界をいい加減に渡ってきた男です。他人は利用するためにあるし、結婚しているのに女優志望のパムにチョッカイはかけるは。
そんなある種の典型のスチュ。今日もパムに電話BOXから電話、携帯からではないのは履歴が残るから。電話を切るとその電話から呼び出し音。その電話が悪夢の始まり。
そんな軽くて小狡いスチュの役どころをとらえて上手く演じています。
犯人の動機、スチュの罪名はそんな傲慢さや小狡さでしょうか。
その罪名自体に文句はありませんが、それを通じて犯人の人間性が浮き彫りになれば良かったのにとは思います。
ただそれをカバーするようにスチュは電話を通じて自分の罪と向き合っていきます。
電話を通じて犯人からの無理難題の要求。
そんな要求を通じて今まで目を逸らしてきた自分に気付いていくそれはライフルを向けられているという事と同様に怖い瞬間かもしれません。
物語は進み、警官に包囲され、マスコミがカメラを持って集まり、パムと妻のケリー、都合よく使っていたアシスタントまで登場。
物語は煮詰まり、覚悟を決めたスチュの最終弁論です。
ここら辺は説明よりも実際に見て欲しいですね。
そしてここがこの映画のクライマックスです。
自分は無神論者になると思うのですが、いつか最後の審判の日が訪れその時に露になる自分とはなんてことを考えます。
スチュの告白を見ていてそんな事を思いました。
犯人の素性、動機は最後まで露になりませんでしたが、スチュは覆い隠していたものが露になり見るものに何かを感じさせたのではないでしょうか。
一人でこの映画を背負ったコリン・ファレルの演技とこの怖い設定に+0.2点で3.64点とします。
評価 3.64点