32型シアター

32型のテレビで見た映画とその周辺のブログです。

アメリカン・スナイパー/American Sniper

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 作品紹介

 アメリカン・スナイパー/American Sniper
 2014年 アメリ
 時間:133分
 ジャンル:アクション、自伝、ドラマ IMDbより 

 

 監督:クリント・イーストウッド
 クリス・カイル:ブラッドリー・クーパー
 タヤ・カイル:シエナ・ミラー
 コルトン・カイル:マックス・チャールズ

あらすじ

イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。4回にわたってイラクに送られた彼は、心に深い傷を負ってしまう。

                             シネマトゥデイ

日本と世界の評価

評価

 Yahoo!映画:4.01 評価5072件   2019/8/25
 IMDb7.3(評価5換算:3.65) 評価406009件 2019/8/25
 Rotten Tomatoes 2019/8/25
  TOMATOMETER:72% 評価290件
  AUDIENCE SCORE:84% Average Rating:4.13 評価153151件
 Metascore:72  

 Yahoo!映画とIMDbとRotten Tomatoes:AUDIENCE SCORE

 単純平均評価:3.93

評価まとめ

 良い評価:傑作、考えさせられる、戦争の現実、良くできてる

 悪い評価:主人公は英雄ではない、アメリカの傲慢、がっかり

評価高いです。そして評価数の多さも際立っています。IMDbではUS UsersとNon-US Usersで0.5の評価の開きがありました。またこの高評価の中で1の評価が3.1%もあったことから一方的な高評価にはならず、賛否あるという感じでした。

感想

評価はとても高いです。ですが賛否の否も一定数いたのでみんな納得の高評価映画ではない。また評価数も異様に多く話題にもなった。また興行収入も驚異的であったことがウィキを見てると分かった。


本作はクリス・カイルの自伝が基になっています。
クリスは厳格の家に育ち、やがて海軍に入り、厳しい訓練を勝ち抜き、特殊部隊シールズに配属になる。シールズでは狙撃手として才能を開花させる。やがて仲間内から伝説と称される狙撃手になっていく。だが伝説と呼ばれるまでには戦地での悲惨な体験が少しづつクリスの心を壊していく。
戦地で少年を狙撃しなければいけない体験や、仲間が失明したり、足を失ったり、命まで失っていく現実。
戦地から帰国するたびに疲弊し、苦しんでるクリスにシールズを辞めて欲しいと願う妻タヤ。


戦地の悲惨さや子供まで巻き込んでしまう戦争の怖さなどは上手くそして執拗に撮られていると思います。
しかし戦争の悲惨さや返ってきてからのPTSDなどは今までも散々と使われてきたテーマだと思う。映画界でもベトナム戦争なんかは良く扱われてきたと思う。
じゃあこの映画はそんな戦争の抑止に一役買う様な内容だったか。
それこそがこの映画の賛否の別れたところではないでしょうか。


賛の側は戦争の不条理やクリスの仲間や国を思う行為は尊い。また敵側もまた同じ人間なんだという事。戦争はしちゃいけないんだという感想。
否の方は狙撃手を英雄に描きすぎ、今までのアメリカを礼賛する目的。愛国行為の素晴らしさを描いているだけ。これじゃ戦争はなくならないよね。という感想。
みたいなところでしょうか。


私はどうかというと否の方が強いかなと思います。クリスを英雄に描きすぎていると思う。特に敵側の狙撃手を狙撃するところのスローな演出とか。伝説と呼ばれたクリスを描こうとしすぎているように感じました。
私はクリスは状況にはまってしまった犠牲者という面をもっと出せればよかったんじゃないかなと思いました。


クリスの決断にはどこにも間違いはないのかもしれない。
国を守るために軍隊に入る。仲間がやられたらやり返したい。戦場で伝説と呼ばれ、国や軍隊を自分が守っているんだという自負。どれも間違っていないのかもしれない。でもそれで失ったもの犠牲になったものがあると思う。アメリカに帰国してから発症するPTSDや戦場でしか生きれない人間に変わっていく恐怖だったり。それによって離れていく家族だったり。


この映画でも描かれているはずなのにトータルでは最終的には英雄として、あるいは平和のための必要な犠牲として描かれているように感じました。
ここには出ていない出演者。戦争突入への決定者。犠牲者の数を想定した非情の作戦を命じることが出来る者。テロリストや政府への武器供給者。
ろくでもない思惑やそろばん勘定で若者を戦地に送る出演者たちが出てくるとクリスが英雄ではないことがはっきりするのではないでしょうか。


アメリカは徴兵制が無くなりました。職にあぶれた者たちの最終職先になっている部分もあると聞きます。
決して戦地に行くことのない人々によって持たざる者の命が扱われてるとしたら戦地に英雄なんていないと思います。
映画と関係ないことを長々と書きましたが私は戦争を扱った作品を見るときは決して登場しない人物を考えずにはいれません。
この映画は戦争の一面は描けたけどもっと中心を描いてほしかったかな。
評価は3.93点と高すぎなのと監督の恣意的な部分が私的にはマイナスだったので-0.4点で3.53点とします。

 

                       評価  3.53点